ヘレウスイノベーションエキスパート:成功するデジタライゼーションとは

イノベーションは前進を生む一方、挑戦も生む。新シリーズ「ヘレウスイノベーションエキスパート」では、イノベーションのエキスパートに、現在のトレンドや企業へのその影響について取材します。今回のトピックは、「デジタライゼーションについて、多様な製品ポートフォリオを有する企業が念頭に置くべきこととは」です。

人工知能や機械学習、サイバーセキュリティ、そして自動化。企業において重要な役割を果たすデジタル技術は、日々その数を増やしています。新型コロナパンデミックは、デジタライゼーションをさらに加速させました。しかし、多様な製品ポートフォリオを扱う企業では、プロセスのデジタル化は容易なことではありません。そのため、私たちは、ヘレウスデジタルハブのデジタルユニットにその専門技術を集約しました。インタビュー動画では、ヘレウスグループ・デジタルオフィサー であるマーカス・クリーグル が、多様な製品ポートフォリオを有する企業としてビジネスユニットに対しデジタライゼーションのサポートを行う方法、関連するトレンド、さらにはデジタルトランスフォーメーションがいかにして持続可能性やイノベーションを支えるかについて語ります。

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本日は、ヘレウスのデジタライゼーション について、マーカス・クリーグル氏 にお話を伺います。ヘレウスデジタルハブのデジタルユニットは、ヘレウスの様々なビジネスユニットに対してデジタライゼーションのサポートを行っています。そのプロジェクトは、どのようにして始まるのでしょうか。

本質的には、とてもシンプルです。ビジネスユニットと共に、「解決したい問題があるところはどこか。改善の余地があるところはないか。」と考えるのです。社内でも、顧客の生産現場であれ、デジタライゼーションは始まります。そして、デジタルソリューションがどう役に立つかを考え、ビジネスユニットと共に、最初から最後まで確立したソリューションを開発しています。

デジタルハブとして、グループ内のデジタライゼーションにかかわるすべての中枢を担っておられますが、多様な製品ポートフォリオを有する企業がデジタルハブ機能を持つことの利点は何でしょうか。

もちろん、ヘレウスの各ビジネスユニットにもデジタル機能を持たせたいと考えていますし、ヘレウスデジタルハブには、全てのビジネスユニットが利用できる数多くの機能を結集しています。

これには、共同技術の取りまとめ、ナレッジマネジメント、市場における初期技術の把握などが含まれます。初期技術がどのビジネスユニットに適しているか、そしてその技術をどのように発展させれば生産的に利用できるかを検討することもあります。

ヘレウスデジタルハブは昨年、どのようなことを実施しましたか。実施例をご紹介ください。

もちろんです。昨年は基本的に、ヘレウスグループのすべての11のビジネスユニットと共に、合計30ほどのプロジェクトを実施しました。

少し例を挙げてみましょう。機械学習を利用した目視検査の分野で、複数のプロジェクトを行いました。人間と同じように見ることを機械に教え、それにより品質を全く別レベルにまで引き上げる、というものです。データサイエンスの分野でもプロジェクトを実施し、サプライチェーンや製造現場からのデータを真に活用し、新たな知見を得ました。また、顧客にフォーカスしたプロジェクトも行いました。ここでは、「最適な顧客体験を実現するには、いかにして顧客のプロセスや認識を最適化し設計するべきか」を考えました。これは、デジタル顧客体験と呼ばれるものです。

プロジェクトからトレンドの話に移りたいと思います。2021年は、どのようなデジタルトレンドが主流になるとお考えでしょうか。

そうですね、押さえておくべき主なトレンドが3つあると思います。

まずは、機械学習。次にオムニチャネルマネジメント、そして最後にサイバーセキュリティです。

なぜ機械学習なのか。データがあるところ、パターンを認識できるところ、反復可能なプロセスがあるところ、そのようなところでは、機械学習が新しいソリューションを生み出す鍵となります。

オムニチャネルマネジメントも、非常に明白です。現在、そして未来の顧客は、個人客の場合と同じような顧客体験をB2Bにも期待しています。そのため、このトレンドが重要なのです。

そしてサイバーセキュリティ。インターネットでのネットワーク化が進み、グローバルネットワーク上を移動しクラウドに保管されるデータが増え、さらにアプリケーションが増えるにしたがって、サイバーセキュリティの問題が、会社だけでなく一個人にも重要になってくるのです。

新型コロナパンデミックの影響で、多くの分野でデジタライゼーションが進みました。生産現場の産環境における最も大きな変化は何だったとお考えですか。

従来の生産現場では、非常に早くから変化が起きていたと思います。世界規模の企業では、生産設備のメンテナンスを行う必要がある場合や、故障原因を特定するために専門家を必要とする場合があります。コロナ禍前は、このようなとき、飛行機での出張が当たり前でした。パンデミック中は、リモートアシスタンスやARに大いに力を入れました。多くの場合、これは非常に功を奏しました。

今後、私たちの住む世界がハイブリッドになることは、比較的明らかだと思います。物理的な移動とARがより強く結びつき、新しい仕事の世界が生まれることでしょう。

過去20年において、デジタライゼーションは飛躍的に進化しました。このスピードは今後も続くと思われますか。

はい、スピードは持続すると思います。まず、技術トレンドは勢いを保つか、もしくはより強まっています。エンドユーザーとして自分自身を顧みても明らかです。電気自動車を運転し、自動運転車に乗り、日常生活でその他のデジタル技術を利用しています。これが1つ目のポイントです。

2つ目のポイントは、今後数十年間で、世界の中間層がさらに20億人増加するということです。つまり、デジタルソリューションの利用を希望し、かつそれが可能な人々が増えるのです。

そして3つ目のポイントは、デジタル技術が社会や環境の持続可能な発展に大きく寄与できるということです。

持続可能性というキーワードについて伺います。デジタライゼーションは、持続可能性や持続可能なイノベーションに対し、具体的にどのような貢献ができるのでしょうか。

いろいろありますが、身近な例を挙げてみましょう。

生産工場を例にしますと、そこには電力を消費する設備がたくさんあります。現在では、工場は個別に制御されているのが一般的で、個々の工場や機械が電気を必要するときに、別々にスイッチを入れたり切ったりしています。

今のところ、持続可能性だけでなく資源効率の観点からも、エネルギー消費が最適であるかどうかを判断するために、全体としてアルゴリズムを使用することはあまりありません。しかしこれは、将来的に出てくるテーマです。一方、私たちは、既に社内で最初のプロジェクトを実施しています。この技術は、今もそしてこれからも、持続可能なマネジメントの主要な要素であることは明らかです。

家族経営として始まったヘレウスには、長い歴史があります。ご自分やチームは、どのようにして伝統と現代性との橋渡しを行っておられますか。

私は、それこそが実は強みであると考えています。ヘレウスは、長い伝統を持つ家族経営の企業として、コア技術やコアトレンドを早い段階で認識し、持続的に投資を行うことを学んできました。

デジタル技術も、同じことです。すぐに見返りのある技術もありますが、しっかりと把握し、試さねばならない技術もあります。持続的な投資は、短期間で成功しなければならないプレッシャーを抱える上場企業に対する、根本的なアドバンテージです。

ありがとうございました。