脳をモデルにした人工シナプス

人工知能(AI)は、私たちが駐車しやすいようにしてくれたり、買い物の提案をしてくれたり、Amazonに商品を注文してくれたり、しばしば私たち人間にとって大きな助けとなっています。人工知能は、膨大な量のデータをわずか数秒で分析することで、私たち人間を助けてくれるのですが、これまでは常にソフトウェアを使っていました。しかし、いくらアルゴリズムが賢くても、従来のコンピューターチップでは限界がきています。演算能力が不足し、消費電力が大きすぎるのです。コネクテッドカーによる自律走行などのアプリケーションを実現することは事実上不可能です。しかし、これには解決策があります!ハードウェアもインテリジェントでなければなりません。人間の脳のニューロンを模倣し、同様の学習能力を持つ人工シナプスは非常に有望です。

人工シナプスに新しい機能が求められている

シナプス

この人工シナプスの決定的な要因は、学習能力です。この能力があれば、生体モデルのように、処理に本当に必要なデータを事前に選択することができるのです。ヘレウスと ユーリッヒ アーヘン研究連合(Jülich Aachen Research Alliance、JARA)の研究者 たちは、まさにそれに成功しました。彼らは、人工的なシナプスを自由にオン・オフできる方法を発見し、データ量の制御を可能にしました。ある抵抗器を組み込むことで、低電圧と高電圧を切り替えることができます。これにより、どのデータを最初に処理すべきかをコントロールすることができます。また、従来よりもはるかに省エネであることも特徴です。特別な機能によってこれが可能になりました。

仕掛け:酸化膜に異種原子を活用したメモリスタ

人工シナプスのスイッチング時間やデータ処理に影響を与えるために、私たちは世界で初めて、メンリスタの構成要素である超高純度・超薄型のアモルファス石英ガラス層(二酸化ケイ素)に特殊な異種原子を導入しました。専門家は、異物原子の数を利用して、さまざまな方法で活性化できる異なるタイプの人工シナプスを構築できることを発見しました。この知識があれば、メーカーは必要な機能を備えた記憶素子を開発することができます。

なお、この特殊ドープガラスは、石英ガラスの製造メーカーである ヘレウス・コナミック が開発・製造しており、同社が特許を保有しています。また、今回の実験では、従来10ナノ秒であったスイッチング時間が1.4ナノ秒という新記録も達成しました。これは、ニューロインスパイアード・コンピューターの開発を進める上で理想的な条件です。