地球のみならず、ISS国際宇宙ステーションにおいても、抗菌は欠かせません。いったん宇宙飛行士によりステーション内に持ち込まれてしまえば、宇宙空間は、ウイルスや細菌にとっては地上より好条件な場所なのです。変異が容易になり、そのため耐性も得てしまいます。しかも、従来の殺菌剤は、爆発の危険や限られた医療の観点から、ISSでは使用できない場合があるのです。ISSでウイルスや細菌がどのように増殖するかを調べるため、トイレのドア表面の複数のコーティング剤(新しい触媒AGXXを含む)について数々の実験が行われました。その結果、6か月後において、他の未処理のスチール材、銀めっき処理されたスチール材の2つ表面とは異なり、AGXXでコーティングされたトイレのドア表面には、ウイルスや細菌が一切生存していませんでした。AGXXは、表面にウイルスや細菌が付着し汚染することを防ぐのです。すなわち、この抗菌用コーティング剤は、菌の増殖を防ぐ頼もしい武器となることが分かりました。
AGXXのISSでのテスト成功についての詳細は、 こちらの研究論文 をご覧ください。