ヘンドリック・スポッド博士が語る、グリーンケミストリーの可能性とは

イノベーションは前進を生む一方、挑戦も生む。インタビューシリーズ、「ヘレウスイノベーションエキスパート」では、イノベーションのエキスパートとともに、現在のトレンドや企業へのその影響について語ります。今回のトピックは、グリーンケミストリーです。

化学品の出発物質として使用される石油には限りがあり、気候変動の観点からも、バイオベースの代替物質の需要が高まっています。そのような物質の持続可能な生産には、不均一触媒を使用した効率的なプロセスが必要です。

これはまさに、ヘレウスのビジネスユニット、ヘレウス・プレシャスメタルズの触媒が本領を発揮する分野です。再生可能なバイオマスやCO2を利用した化学品の製造に使用される触媒は、実験段階から商業化への移行の段階を迎えており、既に準備が整っています。

インタビューでは、ヘレウス・プレシャスメタルズ、ビジネスラインケミカルズ部門イノベーション責任者のヘンドリック・スポッド博士が、グリーンケミストリーの可能性、循環型経済に対するヘレウスの貢献、そして持続可能な化学へと向かう道のりにおける現在地について語ります。

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グリーンケミストリー

私は、グリーンケミストリー産業は現在、岐路に立っていると考えています。

化学産業が脱炭素化する方法とは何でしょうか。

結局のところ、化学製品はすべて、炭素を含んだ化合物をベースにしています。

そのため、化学製品の製造にあたっては、プロセス中の原子効率を最適化することが大きな課題です。

それがまずひとつの側面です。

2つ目は、プロセスそのものを可能な限り効率的に稼働しなければならないということです。ですので、温度を下げ、可能な場合は圧力を下げ、そして触媒を使用して最終製品をできる限り効率的に生産することが必要です。

グリーンケミストリーとは何だとお考えでしょうか。

グリーンケミストリーとは、グリーンケミストリーの12原則で説明できます。

この原則には、原子効率を最適化すること、廃棄物を出さないこと、できる限り中間物質を排除すること、グリーン溶剤を使用すること、そして触媒を適切に使用することが含まれています。そしてこれはまさに、ヘレウスが得意とするところです。

ヘレウスは、グリーンケミストリー分野でどのような展開をしているのでしょうか。

ヘレウスはグリーンケミストリー分野で様々なプロジェクトを展開しています。リグニンの変換、そしてセルロースの変換などですね。これは化学工業用の中間物質を製造するための重要な基本構成要素です。

また、例えばCO2を重要な最終製品に変換することにも取り組んでいます。私たちは常に、最終製品の最適な製造に向けた不均一触媒の開発に主眼を置いています。

グリーンケミストリーと循環型経済とはどう繋がっているのでしょうか。

2つのサイクルを考慮しなければいけません。まずは、製品サイクル。製品自体をひとつのサイクルと考えるものです。つまり、最終製品の寿命が尽きて再利用が可能になるというサイクルですね。しかし、製品一つひとつの製造においても別のサイクルが存在します。ヘレウスは、製品の製造においての、製品寿命サイクルの小さな構成要素を供給しています。それこそが触媒です。そしてここでも、触媒の製造に使用する貴金属を再利用することで、サイクルの最適な活用を図っています。それにより、貴金属をトータルで節約し、触媒の製造におけるCO2排出量を大幅に削減することができるのです。

グリーンケミストリーに関する業界の現状はどのようなものでしょうか。

現在、実験段階から商業化に向け、多くのプロジェクトが進行中です。近い将来、まだ最終的な解決とはならないとしても、バイオベース原料から最終製品への変換の方向性を示すような個別のプロジェクトが多く生まれることでしょう。これはもちろん、既存の工場やプロセスと競合します。しかし、将来の問題に対して商業面から最善の方法で答えを出し、「どのプロセスが正しいか」「市場は何に注目しているのか」を示すには、今、製品やプロセスの規模を拡張することが重要です。