ゲオルク・レマーズ、イノベーション文化を語る

イノベーションは前進を生む一方、挑戦も生む。「ヘレウスイノベーションエキスパート」シリーズでは、イノベーションのエキスパートに、現在のトレンドや企業へのその影響について取材します。今回のトピックは、「イノベーション文化」です。

イノベーション文化を創り実践することで、企業は従業員一人ひとりの創造性を育むことができます。

ヘレウスの人事エキスパート、ゲオルク・レマーズは、ヘレウスの戦略的改革とイノベーション文化の促進を担っています。本インタビューでは、イノベーション文化が必要である理由、そしてその文化を醸成するために企業がなすべきことについて語ります。また、ヘレウスのマーケット主導型イノベーションプログラムについても解説します。

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本日はイノベーション文化についてお話を伺います。レマーズさん、宜しくお願いいたします。

こちらこそ。とても嬉しく思っています。

企業がイノベーション文化を浸透するには、どのような方策があるでしょうか。

まず重要なのは、イノベーションそのものが大きく変化しつつあると理解しておくことです。ヘレウスをはじめ、企業のイノベーション観は変わってきており、その多くは、企業文化に関係しています。つまり、イノベーションとは「何をするか」ではなく「どのようにするか」が主題になりつつあるのです。

3つの例を挙げましょう。1つ目は、まず外側からものごとを見る、ということです。言い換えれば、自分の顧客から始めるのです。見るべきものは、顧客が見ているもの、顧客のビジネスモデル、顧客の価値創造プロセス、顧客の抱える問題、顧客の望みです。その後、自社の視点に戻ってアイデアを練り、顧客との緊密な協力体制のもとでそれをさらに深めていかねばなりません。

2つ目は、製品だけではなく、ビジネスモデルに目を留めるということです。成功させるべきは、製品やテクノロジーではなく、ビジネスモデルなのですから。満たすべき顧客のニーズ、テクノロジー、経済効率、収益性がすべて調和していなければなりません。これはつまり、イノベーションの収益化の話でもあります。

3つ目の側面は、今日においては、機能的サイロを脱却し、機能を横断して協働しなければならないと理解することです。機能横断型チームで働くというのは、楽しいことでもあります。

中堅企業が、特許出願でトップクラスに入りました。イノベーション文化のトピックは、それでもなお重要でしょうか。

はい、重要です。中堅企業はイノベーションの原動力であること、それは証明されています。しかし、特許を指標とするのは短絡的です。もちろん、特許は必要ですし、高度な特許マネジメントも重要です。しかし結局は、それら特許を成功する製品へとつなげられるかどうかにかかっています。例えばコダックの場合、数多くの特許を所有してはいたものの、最終的にデジタル写真を見落としてしまいました。

中堅企業は自身の顧客を熟知しており、顧客とともに成長します。しかし、これは諸刃の剣でもあります。既存の顧客に固執しすぎると、より大きな市場のチャンスを見逃したり、全く新しいマーケットプレイヤーを完全に見落としてしまったりします。私たちはこの問題を克服したいと考えており、既に成果を上げています。

ご自身は、ヘレウスのビジネスユニットがイノベーションプロセスを市場に適合させるのを支援する役割を担っておられますが、具体的にはどのようなことをしておられるのでしょうか。

人事社内コンサルティングプログラムにおいて、コンサルティングやラーニングプロジェクトを開発しました。これをマーケット主導型イノベーションと呼んでいます。機能横断型チームがこのプログラムに参加し、イノベーションの課題にチームで取り組みます。チームは、異なるグローバルビジネスユニットから集められ、ひとつのビジネスユニットからひとつのチームが選出されます。そしてチームで新しいアプローチやイノベーションマネジメントのツールについて学び、それをプロジェクトに直接応用します。私たちはまた、スポンサー、つまり経営陣とも協働しています。そして「今日、イノベーションリーダーシップの実践とは何を意味するか?自分の分野でイノベーションを発展させ成功させるには、文化的フレームワークを含め、フレームワークの要件をどう設定すべきか?」について考えています。

参加者の成果で一番驚いたことは?

一番驚かされたのは、参加者が学んだ内容そのものです。例えば、「顧客とは早い段階で話をした方が得策だ」ということ。チームは、売るものはおろか、アイデア以外何もない状態で、顧客インタビューを敢行しました。もちろん、インタビューは十分に準備をしてから行いましたが。そして驚くことに、顧客の視点について非常に多くを学ぶことができたのです。これまでは、「売るものがなければプレゼンなんてできるわけがない」というのが常識でした。しかし現実は、「いや、できる!」だったわけです。そして非常に有意義な経験ができました。これが最初のポイントです。

次のポイントは、明確な仮説を立てることが非常に重要である、ということです。製品アイデア、市場、顧客、顧客の好き嫌いなどについての仮説です。仮説主導型の手法に基づき、これらの仮説を体系的に検証しました。このプログラムでは、チームは、関連する市場データを用いて検証することを学びました。これはとても興味深いものであり、チームを長い旅路へと導いてくれました。

3つ目は、直接的なタスクと十分なリソース、上司による優れたコーチングがチームにとって非常に重要であるということです。

興味深いインサイトとインタビューでした。ありがとうございました。

こちらこそ。