東亞合成とヘレウス、導電性ポリマーフィルムのパターニング技術で パートナーシップを構築

~タッチパネルディスプレイの基板パターニング、高速量産技術でライセンス契約~

2014/3/24

  • 東亞合成株式会社と、ドイツを拠点とする様々な材料技術を中核とするヘレウスの電子材料事業部は、Clevios™透明導電高分子(PEDOT)を不可視にパターニングできる技術を開発し、ライセンス契約を締結しましたことをお知らせいたします。
ヘレウスのClevios™ 高導電性高分子
PEDOT:PSSをベースとする高導電性高分子

東亞合成株式会社(東京都港区西新橋1-14-1、代表取締役社長 橋本 太)と、ドイツを拠点とする様々な材料技術を中核とするヘレウスの電子材料事業部(本社ドイツ、ハーナウ市。日本法人:ヘレウス株式会社 東京都文京区大塚2-9-3、代表取締役社長 土屋 淳)は、Clevios™透明導電高分子(PEDOT)を不可視にパターニングできる技術を開発し、ライセンス契約を締結しましたことをお知らせいたします。両社のパートナーシップが構築されることで、静電容量式タッチパネル技術において不可欠な電極パターニングが可能となり、ITO代替の量産技術に飛躍的進歩をもたらします。

この開発には、互いの専門知識を持ち寄り、新たな成長に結びつく新しい製品やビジネスを開拓する、という目的が込められています。ヘレウスの先端材料と、東亞合成の応用技術に対する深い知識を合わせ込むことにより、付加価値をもたらすだけではなく、次世代に向けた優れた技術を創造します。

タッチパネル技術に用いられるClevios™ 材料は、PEDOT:PSSをベースとする高導電性高分子です。基板のパターニングに使用されているClevios™ PEDOT導電性ポリマーとClevios™ Etchは、タッチパネルやタッチセンサーなど、透明でフレキシブルな用途に用いられています。特にITOの代替材料としても注目を集めており、ディスプレイ産業の技術的発展の鍵となっています。一方ITOは、スパッタリング法を用いるため、ターゲット材料の原料である金属相場の変動による影響を受けます。Clevios™ は、より経済的な印刷技術を用いて成膜することができ、安定した価格で提供されています。

東亞合成は、導電性ポリマーフィルム用パターニング薬剤 商標名「CLEARIMAJU®」として、独自で開発を行っております。不可視なパターニングを可能にするパターニング剤など、タッチパネル業界において試験を開始しています。一方ヘレウスは、透明で印刷可能なClevios™分散液と、Clevios™ Etchというポリマーの不活性化剤を開発しました。このClevios™分散液は、シート抵抗値100オームパースクエア(Ω/sq)を達成しています。

ヘレウスのディスプレイ・半導体ビジネスユニットの責任者であるシュテファン・キルヒマイヤーは、「東亞合成とのパートナーシップは、新しいビジネスの機会と、タッチディスプレイ業界に幅広い選択肢をもたらします。このパターニング技術があれば、ディスプレイは一層経済的に、光学的にもより優れた品質で製造できるようになります。更に、フレキシブルなタイプも製造できるようになるでしょう。」とコメントしています。

東亞合成の基礎化学品事業部、林直人氏は、「独自に開発したCLEARIMAJU®パターニング剤と、新たに供与されたClevios™ Etchの技術の連携により、量産時においても高速にパターニングすることが可能になります。タッチパネルディスプレイにおけるClevios™ PEDOTフィルムの実用的な用途を加速させるでしょう。」とコメントしています。