銅製造プロセスを最適化

銅に対する需要は引き続き拡大しています。電子製品、産業機械、輸送機器などのセクターによって銅の精錬での使用は過去 50 年間に 3 倍以上に増えました。
お客様の課題に取り組むため、ヘレウス・エレクトロナイトはさまざまな銅プロセスのステップにユニークなソリューションを提供します。

銅地金生産は主に一次銅生産と二次銅生産の 2 つに分類できます。銅地金生産量の約 80% が鉱石から銅を取り出す一次銅生産です。
原材料の他の重要なソースはスクラップです。製造プロセスで廃棄された金属または寿命を迎えた製品から取り出された銅スクラップは、原材料としての銅のリサイクルに貢献しています。このルートは二次的な銅の生産です。

どのソリューションがプロセスに適用できるか、また銅プロセスをどのように最適化できるかをご覧ください。

銅生産

銅の生産は、地表 (露天) または地下採鉱からの銅鉱の採掘から始まります。プロセスに添加される銅スクラップの量によって、一次生産か二次生産に分類できます。

製品:

2 つの主な製錬方法があります。

  • 銅が低品位鉱から直接抽出されて精錬される、湿式製錬または SX-EW 法
  • 銅が鉱石、銅スクラップ、使用済みのアノードから抽出され精錬される、乾式製錬

乾式製錬では、採掘された鉱石が最初に破砕および浮遊選鉱で富鉱を行って銅精鉱になります。この銅精鉱は溶解され、約 60% の純銅を含む「マット」が作られます。液状「マット」は転炉処理で精製され、銅品位 98% 超の「粗」銅が作られます。次に粗銅が中間アノードに鋳造され、さらに電解精錬で銅カソード (99.99% 純銅) へと精製されます。カソードは再溶解され、処理されて最終製品となります。粗銅は、使用済みの銅をリサイクルするために二次スクラップで一部または完全に置き換えることもできます。

乾式プロセスの主な課題

精錬中の酸素活量の管理

転炉粗銅と銅スクラップは溶解され、約 1150-1250 °C の温度で酸化されます。酸素飽和点近くが理想的な精製状態です。酸素が十分に供給されない場合、精製が不十分となり、許容できない高レベルの不純物度になります。酸素の供給過多の場合、プロセスの歩留まりが大幅に損なわれます。

精製処理後、99% 純アノードの鋳造が可能となるように液体銅の酸素含有量を十分に減らします。これはポーリング炉に天然ガスを注入することで行います。

ヘレウス・エレクトロナイトの酸素活量制御によって、お客様はプロセス管理を実現できます

  • 酸素注入の最適化
  • 天然ガス注入の調整

ロッド鋳造中の酸素活量の管理

鋳造アノードは大型の電解槽内部に配置されます。電流を加えることによって、銅が溶解し、最終的にステンレススチールの「ブランク」に沈殿します。銅粒子だけがブランクに沈殿するので、7 日後に純度 99.995% の銅カソードが生成されます。その他すべての成分が底部に沈むか、硫酸で溶解します。最終的に、生成されたカソードが再溶解され、銅ワイヤーロッドなどに鋳造されます。
電気、電子、熱伝達アプリケーション用に高い性能特性を持つ銅を製造するには、最大 5 ppm までの極端に低い酸素含有量で銅を鋳造することが不可欠です。
酸素含有量の多い銅種は水素に反応しやすくなります。高温では、水素イオンは銅に拡散し、銅に酸素原子の水孔を作り出します。これによって、銅が脆弱になり、銅成分がブレージングまたは溶接された場合に問題が発生し、電気伝導性や熱伝導性など銅の物理特性に影響します。
酸素含有量が少ない銅は水素に対する免疫性が高く、ブレージングや溶接と相性が良くなります。

酸素含有量を監視するために、ヘレウス・エレクトロナイトの酸素活量制御によって、お客様は次を実現できます。

  • 水素ピックアップの制限