電解コンデンサの技術的課題

従来の電解コンデンサは、低ESR(等価直列抵抗)の市場トレンドへ完全には対応することができませんでした。この課題に対処すべく、PEDOTは今日の電解コンデンサ業界において、ポリマー型タンタルおよびアルミニウム電解コンデンサの製造に広く使用されています。

電解コンデンサの技術的課題

20年以上にわたり、低ESR(等価直列抵抗)の要求に応えるため、タンタルやアルミニウム電解コンデンサの適応が進められてきましたが、従来の電解コンデンサでは、マザーボードのような最新の電子回路における要件は満たせませんでした。

Clevios™導電性ポリマーによって、電解コンデンサメーカーは低ESRの市場トレンドに対応できるようになりました。今日、PEDOTの名称でも知られる導電性ポリマー[ポリ(3,4エチレンジオキシチオフェン)]は、その高い導電性と卓越した温度安定性により、電解コンデンサ業界でポリマー型タンタルおよびアルミニウム電解コンデンサの製造に広く使用されています。

しかし、高電圧帯、DC漏れ電流(DCL)、信頼性での制限により、ポリマーコンデンサの実用導入事例は一般電化製品用途に限定されていました。

ヘレウスのClevios™ Kポリマー分散液の開発により前述の制限は克服され、高電圧、低DCL、高信頼性を初めて達成できるようになりました。定格電圧上限は約25 Vから400 Vに拡張され、かつその優れたDCL特性により、分散液を用いた新しいポリマーコンデンサは自動車等の高信頼用途にも導入されています。さらに今日では、かつては想像もできなかった航空宇宙産業での用途展開も進められています。また、低ESRと高リップル電流性能により、電解コンデンサの小型化または大型電解コンデンサの個数削減が可能なため、電子回路を小型化できるようになりました。

ヘレウスが電解コンデンサ向けの新しい導電性ポリマーを開発したことで、テクノロジーは、高電圧・低DCL・高信頼性のステージへと移行しました。導電性ポリマーは、ポリマーコンデンサの陰極材料として、多孔質のアルミニウムやタンタル電極の誘電体(陽極酸化被膜)上に形成されます。長い間、そのポリマー陰極膜の形成には化学重合 (In-sit重合)法を用いなければなりませんでした。具体的には、導電性ポリマーの前駆体であるモノマー(Clevios™ M V2)と酸化剤(Clevios™ C)を多孔質の電解コンデンサ内に浸透させ、デバイス内において化学重合反応を制御して導電性ポリマー陰極膜を形成する方法です。しかし、Clevios™ K導電性ポリマー分散液の開発により、化学重合反応は不要になり、導電性ポリマーを直接デバイス内に形成できるようになりました。これにより、電解コンデンサの性能と信頼性が向上するだけでなく、同時に製造プロセスも大幅に簡素化できるようになりました。