赤外線ヒーターによる航空宇宙向けCFRPの成型前加熱

画像は英国コンポジットセンターにおいてプリプレグの研究開発技術に用いられる赤外線加熱ユニット

炭素繊維強化プラスチックには熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂があり、目的に応じて様々な方法で成形加工されています。赤外線ヒーターは主に、成型前に用いられており、急速な均一加熱が可能です。

大型自動車の車体部品に使用される短繊維強化熱硬化性プラスチック、高強度構造部品に使用される長繊維強化熱可塑性プラスチック、風力発電に使用されるガラス繊維織物など、複合材料はその使用目的に応じて異なります。しかし、これらに共通しているのは、最もコスト効率の良い方法で生産することが求められていることです。この場合、赤外線による加熱が役立ちます。

赤外線は熱硬化性プラスチックを熱硬化し、溶着、成型、成形の前に熱可塑性プラスチックを加熱します。製品形状や加熱プロセスに合わせて正確に調整することができる赤外線は、レイトレーシングや計算流体力学などの高度な数値手法により、大きな表面を均一に加熱することができます。

成功導入事例

NCCでのプリプレグの均一加熱~研究開発技術に用いられる赤外線加熱ユニット~

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イギリス・ブリストルのナショナル・コンポジット・センター(NCC)は、選定した複合材料であるプリプレグと呼ばれる材料に必要な熱入力と制御方法を最適化するために、ヘレウス・ノーブルライト社の最新のCAE技術を用いています。

航空機の新しい軽量部品に生かされる赤外線の活用方法

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エアバス社の航空機胴体に用いられる新しい軽量化複合部品の試作品開発のプロジェクトは、ドイツ連邦経済エネルギー省によって推進されています。このプロジェクトには、ヘレウスの赤外線ヒーターが導入されており、加熱エリアと材料の搬送を既存のプレス機に改造することがプロセスの課題でした。

複合材料の製造技術開発に赤外線を生かす特徴

36. 複合材料の製造技術開発に赤外線を生かす特徴

イギリスのHyde社は、ヘレウスの赤外線システムを用いて、将来に向け航空機における複合材料の採用を促進させるために、複合材料の製造技術を開発しています。同社では、プリプレグをロボットセルに取り付けられた赤外線ユニットで加熱する方法が採用されています。