ガラス成形プロセスでの赤外線加熱の応用

近年、ガラス成形プロセスで赤外線加熱が注目されています。

従来、赤外線ヒーターはコーティング乾燥、ラミネートガラス工程など、ガラス製造工程でも比較的に低温領域で利用されてきました。一方、赤外線加熱におけるガラス成形温度の700℃は高温領域にあたり、過去には赤外線加熱をあまり検討されてきませんでした。しかし、昨今スマートフォンなどに代表される多くの工業製品で曲面ガラスの採用の増加に伴い、高出力赤外線による「ガラスの急速加熱」の開発が取り上げられています。

薄板精密成型の技術開発は勢いを増してきていますが、一般にガラス成形には、溶融ガラスを直接金型に流し込み成形するダイレクト成形と、薄板ガラスを再加熱して成形するリヒート成形があります。赤外線ヒーターはこのリヒート成形に利用されています。

薄板ガラスのリヒート成形にはプレス成形機が用いられますが、まず問題になるのは板ガラスの加熱で、成形可能な温度とされる約700℃まで加熱する必要があります。従来の設備では電気炉が用いられてきましたが、生産性の向上や自動化などには困難があると言われています。

ガラス成形前加熱に求められる課題

  • 約700℃の成形温度
  • 急速加熱およびステップ加熱
  • 均一加熱および部分加熱のコントロール
  • タクト加熱への対応
  • 基材ハンドリングを考慮したオープンスペースでの加熱
赤外線加熱によるガラス成形

赤外線加熱によるソリューション

  • 金属・ガラス加熱において、オープンスペースで700~900℃の加熱が可能
  • お客様のプロセスおよび設置スペースに合わせて高出力赤外線ユニットの設計・ご提案が可能
  • 金反射膜によって、高いエネルギー密度効率が得られる

ガラスの加熱・乾燥プロセスの導入事例

赤外線炉によるガラスのアニール処理の効率化

X赤外線炉によるガラスのアニール処理の効率化

ガラスは加熱状態で成形されますが、その状態では熱歪み(ヒートストレス)があり、クラック防止のためそれを取り除く必要があります。その残留熱応力はアニール処理によって緩和されますが、それには制御された加熱と、その後の徐冷工程が不可欠です。

ヘレウスの新開発赤外線路「MAX Oven」は、独自設計により必要エネルギーを短時間で投入できる、対流式オーブンやバッチ炉と異なるコンセプトの加熱装置です。ガラスのアニール処理にかかる時間を5分の1に短縮し、エネルギー消費も90%削減することに成功しています。

赤外線ヒーターによる装飾塗料硬化プロセスの効率化

赤外線ヒーターによる装飾塗料硬化プロセスの効率化

イギリスのStoelzle Flaconnage社では、フレグランスをシンプルな容器に入れるのではなく、特殊な装飾仕上げを施した小瓶を使用しています。同社ではそのフレグランスボトルの装飾用に有機塗料を使用していますが、ヘレウスのカーボン赤外線ヒーターは、そのスプレー塗料の硬化時間の短縮化に貢献しています。また赤外線ヒーターユニットの導入により、設置面積の縮小化も実現しています。

赤外線ヒーターによる自動車合わせガラスのスクリーン印刷の乾燥

赤外線ヒーターによる自動車合わせガラスのスクリーン印刷の乾燥

自動車のフロントガラスは、素板の合わせガラス板から切断され、周縁部にマスキングである黒のセラミックカラーが形成され、乾燥されます。Fuyao社では長年、その乾燥用にヘレウスの中波長赤外線ヒーターを使用していましたが、生産スピードと品質向上を目的として、ヘレウスのカーボンヒーターを採用することを決めました。

合わせガラスに使用される接着剤やゴムは、常に太陽光や紫外線光に晒されているため劣化が生じ、耐久性を保つことは容易なことではありません。実は、その黒い周縁部は、紫外線を遮光し劣化を防ぎ、耐久性をもたらしています。

合わせガラスの製造とカット

合わせガラスの製造トカット

合わせガラスの製造およびプロセスは、赤外線ヒーターで非常に効率よくできるステップ運転が必要になります。

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