赤外線によるプラスチック
熱溶着プロセス

樹脂溶着技術には、高周波溶着、熱溶着、超音波溶着、熱板溶着などがあり、その中でも、赤外線を用いる熱溶着はさまざまな産業プロセスで用いられている方法です。

自動車部品の吸気管、換気装置部品、ブレーキオイルタンク、洗浄液タンクなどのプラスチック部品には、密閉性や耐圧性が要求されます。そのような部品は最終製品になる前に、半分の形状をした状態に射出成形されます。その後、様々な方法によって溶着され完成部品となります。

赤外線溶着とは、赤外線(ir)ヒーターにより、上下あるいは左右に配置された樹脂部品を輻射加熱し、部品に接触することなく静止状態で加圧する技術です。赤外線ヒーターから放射されるエネルギーのほぼすべては、加熱対象物に届き、吸収され加熱されることから、赤外線ヒーターの利用は非常に効率の良い加熱方法となります。また、あらかじめアッセンブリされた製品など、振動を与えることが不可能なデリケートな部品に対しも、赤外線溶着は振動を与えずに非接触プロセスが可能です。

日本では、一般に超音波溶着や振動溶着の技術が広く採用されていますが、赤外線を用いる技術は以下の特長があることから、欧米ではすでに多くの生産工程に導入されています。

赤外線熱溶着の特長

  • クリーン:振動を与えずに加熱するため、パーティクルの発生がなく、溶着後の仕上がり品質が向上
  • 非接触加熱:部品のサイズを問わず、加熱箇所に接触することなく溶着
  • 高い強度:厚みのある材質でも高耐圧性と高機械強度を維持
  • 特殊形状への対応:加熱箇所に合わせた3D形状に対応し、均一加熱が可能
  • 幅広い適応材質:ポリアミドやポリプロピレンなどの高融点材料、低粘度物質、発泡材などにも対応可能
  • プロセスの自動化:制御性に優れた赤外線ヒーターを用いることにより、常に均熱をもたらす自動化が可能
  • プロセスの効率化:赤外線ヒーターの優れた応答性で、必要な時に必要な箇所だけを加熱
  • スペースの縮小化:効率的なプロセスの実現により、大型装置の設置は不要

赤外線プラスチック溶着機でどのように溶着できるのかをご覧ください。

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溶着する材料について

樹脂の種類:

  • プラスチックの特性は溶着結果に大きな影響をもたらします。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドといった熱可塑性プラスチックは、ほんの数秒で数回加熱することができます。一方で、フェノールホルムアルデヒド、ポリエステルまたはメラミン樹脂といった熱硬化性プラスチックは再び加熱することはできず、またプラスチック表面を溶かすことができません。
  • 私たちの社内試験結果から、シリコン製プラスチック、またはゴムの溶着はできないことが判っています。例えば、タイヤの接触表面に使われる材料が該当します。一方で、純製ゴムの接触表面は溶着可能なことが判っています。

樹脂の色:

  • 黒色プラスチックは、白色や透明な材料より、赤外線光エネルギーを良く吸収します。暗色(濃い色)プラスチックの方がより速く加熱されるのはこのためです。
  • 私たちの社内試験結果では、2つの部品に分かれているポリアミド製部品は、色によって異なる所要時間で溶着できることが分かっています。黒色プラスチックは、白色プラスチックでは40秒かかる加熱に対し、それと同じ温度でたったの12秒で加熱することができます。

添加剤や充填材:

  • プラスチックの中には、ガラス繊維などの添加剤や充填材が含まれることがあります。
  • ガラス繊維は、ポリアミドコンテナーを強化し、安定した耐圧性を与えます。このようなプラスチックはポリプロピレン中の短ガラス繊維材がむき出しになっているため、ホットプレートのPTFE(フッ素樹脂)コーティングを摩耗します。この原因で損耗が進み頻繁に交換することになり、コストが嵩むことになります。赤外線ヒーターは、非加熱物を非接触で加熱するため、ガラス繊維を損傷することはありません。

熱溶着に用いるエクセリタスノーブルライトの赤外線ヒーターの強み

エクセリタスノーブルライトは、加熱を要する小さな表面や端、曲線など、工業プロセスに合わせた特殊形状の赤外線ヒーターもご提案しています。

形状の理由からあきらめていた溶着案件などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 特殊形状赤外線ヒーターの詳細はこちらをご参照ください。

赤外線溶着向け特殊ヒーター
特殊形状赤外線ヒーター
特殊形状赤外線ヒーター

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熱溶着の実験のご依頼

私たちは、溶着治具メーカーであるヤマウチ精機会社とともに、自動車部品の軽量化に貢献する赤外線プラスチック熱溶着技術を確立しました。実験のご要望などございましたらこちらからお問い合わせ下さい。

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