UV LED硬化でUV硬化製造プロセスを向上する5つの方法

コンバーティングのUV硬化プロセス

UV LED硬化技術の商業用途は、エネルギー出力が向上し、入手可能なインクや接着剤、塗料が増えたことで急速に広がっている。UV LEDの照射強度は毎年12%ずつ上昇している。

これは、高速の生産性を要するコンバーティングのようなアプリケーションが、現在では実現可能になっていることを意味している。

本稿では、プロセス設計・開発のエンジニアに、UV LED硬化の簡単な紹介と共に、コンバーティングの生産ラインにおける利点、競合がひしめく中お客様の優位性を確実に保つために取るべき施策を紹介する。

UV LEDの出力について

広いスペクトル範囲の発光を有する従来のUV硬化と異なり、硬化用のUV LEDの出力は、現在では365、385、395、405 nmの4つの単一の狭波長のうちの一つが利用可能である。

これは、無駄な発光(不要あるいは使用できない波長)がより少ないことを意味するが、塗料メーカーが特定のコーティング剤や接着剤の要件性能を満たしながら、これらの特定波長に対応する新しい塗料を開発する必要があることも意味している。

ラミネート接着剤のようなアプリケーションでは、短波長域のUV光はフィルムによって吸収されるため、長波長に吸収の開始剤あるいは金属ドープされた有電極ランプを使用している。従って、現在ではラミネート用途では、UV LED硬化を用いることは自然の流れである。



商業用UV LED硬化

現在、UV LED硬化は商業用途として、デジタルインクジェット、フレキソ印刷、オフセット印刷、工業用インクジェットでのマーキング/コーディング、接着、封止、スクリーン印刷による加飾、電子部品の封止、ポッティング、フォトレジストに使用されている。

既存のUV硬化システムを有するコンバーティング生産ラインをUV LED硬化システムに改造(追加または置換)することは、プロセスの大幅な改善と、その結果生じる純利益を考えれば、あるアプリケーションには必然となる。



UV LED硬化の製造プロセス設計と事業利益

既存のUV硬化技術と比較すると、UV LED硬化システムは、寿命が極めて長く、瞬時オン・オフが可能なため、より長い動作可能時間となる。UV LEDは有電極UV硬化システムより、最長10倍長く(10,000時間以上)動作する。

UV LEDの瞬時オン・オフ機能は、ライン再起動までの、または有電極UVランプで必要とされるシャッターのメンテナンスに対処するまで待ち時間がないことを意味している。より長い動作可能時間によって、より高い生産率を達成できる。

UV LED硬化システムは、従来のUV硬化より非常に低い温度で作動し、熱に敏感な材料にダメージを与えることなく使用することができる。調光を制御できるということは、プロセス要求を変更する際に必要なエネルギーに正確に調整できることを意味している。製品の廃棄量を減らせることに加えて、プロセスの柔軟性と制御性が向上することによって、お客様の生産能力を拡大し、コンバーティングラインの稼働を高めることができる

お客様のラインに空間的余裕があると仮定すると、既存の従来型UV硬化にUV LEDを追加することにより、柔軟性がさらに向上し、追加のラインと工場への装置導入前に試験的設置も可能になる。

UV硬化システムの小型な特徴によって、例えばフラットあるいは3Dコンベアーライン、 インデックスマシーン、またはロボットアームなど、既存の製造ラインの改造がしやすくなる。UV LEDは冷却が必要だが、 内蔵マフィンタイプファン、または水冷が用いられる。シャッターの取付は不要で、熱管理やライトシールドも非常に簡素化される。また、UV LEDはオゾンを生成せず(従来のUVランプは185nm出力でオゾンを生成する)、 水銀も含まないため、作業環境の安全性が増す。

今日のプロセス設計者は、再現性が容易に得られ、または世界中のどこにでも移設できる、信頼性のある一貫したUV硬化プロセスを必要としている。UV LEDシステムは、小型で軽量なため、その移設は従来のUV硬化よりも容易で安価である

そして、UV LEDは少量の冷却空気しか必要としないため、設置される標高に関わらず、コンバーティングラインに必要な冷却容量には大差ない。UV LED硬化は、お客様の世界中にある製造拠点の何処に設置されようが、より信頼性のある一貫したプロセスを可能にする。

UV LED硬化は、従来のUV硬化と比較すると、省エネルギー、少ない消耗部品、低いメンテナンスコストにより、運転コストを非常に低く抑えることができる。UV LEDの使用エネルギーは従来のUV硬化と比較すると、約30~70%少ない

ランプ、マグネトロン、安定器、リフレクターといった消耗品を手元に保有する必要がないため、コストを下げることになる。ランプの交換、安定器、マグネトロン、シャッター、リフレクター、ファンといった部品の清掃/手入れにかかる時間が短いことが、メンテナンスコストが低いという結果につながる。

課題

LED技術が自動車のライト、車内照明、その他の従来の光源を置き換えたように、UV LED硬化は、前述の利点により、コンバーティングアプリケーションで使われる従来のUV技術を必然的に置き換えることになるだろう。当然のことながら、適切な利用可能な塗料を見つけることも含め、工業でのコンバーティングプロセスにおける課題は残る。ハードコート性を要する光学フィルムのようなコンバーティングアプリケーションには、365nm以下の短波長が表面硬化に求められるので、UV LED硬化には特に課題になっている。UV LEDの硬化と従来のUV硬化の組み合わせが理想的なソリューションになる。

次のステップとして

他から遅れをとることを避けるため、コンバーティングプロセスの開発・設計エンジニアは、今何をすべきであろうか。

まず、UV LEDが、お客様のコンバーティングプロセスや、特に現在使用している長波長金属ドープランプを用いたラミネート接着、他のプロセスに適しているかどうかを理解するために、UV LED硬化技術、装置メーカー、塗料メーカーについてもっと知る必要がある

次に、ラボテストや社内での試作を通じて、信頼性と柔軟性のあるUV LED硬化プロセスの開発でサポートをしてもらえる経験豊富なメーカーやサプライヤーとの関係を構築する必要がある。この場合、お客様のコンバーティングプロセスの中でUV LEDに投資するときが来たら評価をサポートできるパートナーが必要になる。

UV LED硬化がダウンタイムを短縮する方法について はこちらをご覧ください。プロセスの設計開発エンジニアにとってもっとも興味深いUV LED硬化は、既存の高圧水銀ランプによるUV硬化に比べ、UV LED硬化がどのようにダウンタイムを短縮することができるのかということです。既存の製造プロセスにどのような影響があるかをご説明いたします。

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