赤外線プラスチック熱溶着技術を自動車の軽量化に適用拡大

ヘレウスとヤマウチ精機は、自動車部品の軽量化に貢献する赤外線プラスチック熱溶着技術を確立し、赤外線熱溶着治具の日本国内における販売を開始することをお知らせいたします。

ヘレウス株式会社(以下、当社。東京都文京区大塚2-9-3、代表取締役社長 土屋淳)は、このほど、自動車用途を主とする樹脂部品の溶着治具メーカーである ヤマウチ精機株式会社 (以下、ヤマウチ精機、愛知県岡崎市渡町字能光25-1、代表取締役社長 山内 安行)と共に、自動車部品の軽量化に貢献する赤外線プラスチック熱溶着技術を確立し、赤外線熱溶着治具(以下、本製品)を開発、日本国内における販売を開始することをお知らせいたします。

自動車産業では昨今、二酸化炭素の排出削減のため燃費を向上する様々な技術が開発されています。その手段として、自動車の軽量化につながる材料の応用技術開発が精力的に行われています。主な部材である、金属の代替技術として注目されているのが樹脂ですが、それには接合技術が欠かせません。接合方法には、一般的に機械、接着剤、溶着の3 つあり、そのうちの一つである溶着方法には樹脂部品の加熱が必要になります。さらに、その溶着方法の中でも、振動、超音波、熱の3 つの主な方法があります。

本製品は熱溶着方式を採用しており、加熱に赤外線ヒーターを用います。上下あるいは左右に配置された樹脂部品の端面を赤外線ヒーターで輻射加熱します。その後、部品を加圧し、溶着します(図1 および2参照)。赤外線ヒーターの特長である早い立ち上りおよび立ち下り性能を生かし、プロセス前の予熱は不要です。以下は本製品の特長です。

1. 非接触加熱によるクリーンな方法

赤外線ヒーターは、加熱対象物に照射され吸収されたエネルギーすべてが、赤外線光エネルギーとして加熱対象物に届きます。樹脂部品に接触することなく、溶着します。静止状態で加熱するため、樹脂粒子のくずなどの発生がなく、溶着後の仕上がり品質が向上します。一方、他の溶着方式、例えば振動溶着では、樹脂部品に摩擦熱を起こしそれを溶着するため、摩擦による樹脂の擦りくずが発生し、溶着後の清掃が不可欠となっていました。また溶着端面の仕上がりにも、毛ばり*が発生していました。本製品により、溶着プロセスそのものを非常にクリーンに行うことができ、意匠性の高い樹脂部品にも用いることが可能になります。

2. 接合強度と耐圧性

本製品を用いてプラスチック部品を溶着する場合、その端面を溶かし圧着します。溶かす面は、厚み縦方向の深部に及ぶため、表面部分ではなく深い部分での溶着となり、確かな強度を得ることができます。ドイツ本社の保有する圧力タンクへの導入事例では、元々熱板を用いて約10 バールという圧力に耐えられるように溶着されていたのに対し、赤外線熱溶着技術を用いたところ、溶着後の破裂試験では、約28 バールの耐圧性があったという報告があります(図3 参照)。

3. 生産プロセスのエネルギー効率化

赤外線ヒーターは、立ち上りおよび立ち下りの高い性能に加えて、制御性にも優れています。溶着プロセス中における赤外線ヒーターの点灯は、必要な時のみで、端面の加熱後は、速やかにヒーターを消灯します。このため、エネルギーの使用に無駄がなく、タクト運転に適しています。さらに、プロセス中に赤外線光エネルギーの出力を制御できるため、ステップ運転にも非常に適しています。溶着する材料に依存しますが、赤外線ヒーターの点灯は数十秒間程度です。

4. 治具の溶着機械への容易な取付け

本製品は、大型な溶着機械そのものではなく、いわばその心臓部に相当するものです。赤外線以外の熱溶着の手法で、毛ばり、くずなどの課題を抱えておられるお客様は、機械に取り付けられている治具を本製品に交換するだけで、課題を解決することができます。高額な溶着機械の投資は不要です。

本技術の応用材料は、熱可塑性プラスチックをはじめ、ガラス繊維プラスチック、その他高融点および低粘度物質、発泡材などにも及びます。当社およびヤマウチ精機では、本製品が、現在他の溶着技術を適用しているユーザーのおおよそ三割に適するスマートなソリューションであると考えております。また今後、自動車の軽量化技術開発がますます進展するなか、両社では本製品が自動車などに用いられるプラスチック製部品の溶着を容易にし、生産工程の効率化に寄与するものと確信しております。お客様への提案を積極的に行い、自動車の軽量化にプロセス技術面で貢献してまいります。

ヘレウスおよびヤマウチでは、本製品を、平成30 年1 月17 日(水)から1 月19 日(金)まで東京ビッグサイトで開催される第8 回クルマの軽量化技術展において展示し、ご紹介いたします。

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