遠赤外線ヒーターと比較した中波長赤外線ヒーターの9つの特長

中波長赤外線ヒーターと遠赤外線(長波長)ヒーターの違いについて、よく質問を受けます。これら2つのタイプのヒーターが放射する赤外線波長域は異なりますが、水、樹脂などの赤外線吸収特性には両方とも適合していると言えます。

大きな違いは、「有効エネルギー」、「内部浸透力」、「総合効率」の差です。

工業目的の赤外線加熱・乾燥には、中波長以上の赤外線ヒーターの採用で期待以上の生産効率の向上が可能になります。同出力で比較した場合、20~30%の省エネ、または生産効率の改善が期待できます。

ヘレウスの中波長赤外線ヒーターと遠赤外線(長波長)赤外線ヒーターの代表的な特性比較

中波長 遠赤外線(長波長)
放射体温度 約850℃(約1123K) 約500℃(約773K)
最大エネルギー波長 約2.6μm 約3.7μm
照射効率 95% 60-70%
立ち上がり時間 1~2分 約15分
対流損失
寿命 2~3万時間 2~3万時間

注)最大エネルギー波長 λmax = 2897/Τ(放射体温度):ウィーンの変位則

ヘレウスの中波長赤外線ヒーターの特長

有効エネルギー

有効な放射エネルギーΕは、放射体の絶対温度(Τ1)と被加熱体の絶対温度(Τ2)の4乗の差に比例します。

水、樹脂、塗料などの多くの赤外線吸収率は2.0µm~4.0µmの範囲にあります。重要なことは次の2点です:

1)波長範囲の有効エネルギーが大きい

放射体温度 < 2µm 2~4µm 4µm >
遠赤外線 500℃ 3% 34% 63%
中波長 850℃ 13% 47% 40%
吸収と透過がバランスの取れた波長

2)赤外線吸収波長範囲内で、吸収と透過のバランスがとれ、少し短めの波長を放射することが有効になります。例えば、コーティング内部のみならず、ワーク母体へも浸透します。

照射効率が高いヘレウスの赤外線ヒーター

反射構造が取れないセラミック製の遠赤外線ヒーターでは、反射効率が60~70%なのに対し、棒状の遠赤外線ヒーターの反射傘(アルミ製)などの反射効率は70~80%(反射傘が汚れると、さらに低下します)になります。

一方、ヘレウスの石英ガラス製赤外線ヒーターは、独自の金反射膜により、照射効率95%を達成しています。

  • 放射体コイルは石英に覆われているため、表面からの対流損失が小さく、熱風とのハイブリッド炉内や、換気による損失が少なくなります。
  • 赤外線は、直接放射エネルギーで加熱、乾燥することが目的であるため、赤外線ヒーターの表面に接する空気を加熱することは損失になります。したがって、放射体がむき出しで、表面積が大きい遠赤外線ヒーターの損失は大きくなります。

遠赤外線ヒーターの最大エネルギー密度は30 kW/cm2に対し、中波長赤外線ヒーターは最大60 kW/cm2以下になります。エネルギー密度とは、単位面積当たりに設置できる赤外線ヒーターの出力で、大きければ大きいほど、赤外線加熱ゾーンを短くすることができます。

最長5mまでの赤外線ヒーターを製造することができるため、フィルムなどのシート加熱で、幅方向に均等な温度分布が得られます。

有効加熱長1500mm/200V、3000mm/400Vまで、片側接続が可能なため、電気配線が容易です。

ヘレウスグループの製造する高純度赤外ガラスを用いたガラス管を採用しているため、クリーン加熱に適し、高い輻射エネルギーの透過率を得られます。

石英の熱膨張率が小さいため、熱ショックに強いです。

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