ヘレウス、環境モニタリング用広波長領域UV LED光源「FiberLight® L3」を開発

ポータブル分析に最適な環境モニタリング用光源「FiberLight® L3」を開発

令和元年6月3日

~ポータブル分光分析機器でリアルタイムの分析を可能に~

ヘレウス、環境モニタリング用広波長領域UV LED光源「FiberLight® L3」を開発

ヘレウス・ノーブルライト社(以下ヘレウス社、ドイツ・ハーナウ市、代表取締役社長 ヴォルフガング・シュタング)は、分光分析機器用に広波長領域UVスペクトルを発光するUV LED光源「FiberLight®L3(和名 ファイバーライトエルスリー、以下、本製品)」を開発しましたことをお知らせいたします。また、ヘレウス株式会社(以下、当社。東京都文京区大塚2-9-3、代表取締役社長 山内 秀人)は、日本での販売を開始したことをお知らせいたします。

現在、水質や土壌などの環境モニタリングでは、現場でサンプルを採取したのち検査室に持ち帰り、分析するという流れが一般的です。しかし、この方法は分析までに時間を要し、かつ試料の取扱い、特に保管や輸送上の注意が必要になり、精密な分析には多くの技術的な課題がありました。

今回開発した本製品は、LEDの利点である長寿命や低消費電力などの特長と、広波長領域UV発光スペクトルを併せ持つ光源モジュールです。採取された物質を識別する定性的分析と、これら物質の定量的分析の両方を1台の分析機器で実現し、分析機器の機能を向上します。本製品の特長は以下の通りです。

1. 広波長領域UV発光スペクトル
通常、UV LEDの発光スペクトルは単一波長です。広波長領域の発光スペクトルを実現するために、これまで、複数のUV LEDチップアレイを用いた開発が試されてきました。しかし、複数のLEDチップの使用によるコストの増加、複雑な光学設計、LEDチップ間の発光のばらつき、加えて品質と寿命のばらつきによる光安定性の低下などが課題となっていました。本製品は、これらの課題を解決するために、1つの光源モジュールで、単一波長のUV-LEDチップと蛍光体を掛け合わせて、250ナノメートルから490ナノメートルという広波長領域のUV発光スペクトルを実現しました。これにより、長期にわたり安定した分析データの測定が可能となります。

2. ポータブル分光分析機器への容易な組み込み
UV LED には、主に長寿命、低消費電力、小型という特長があります。本製品はその特長を生かし、分析機器への容易な組み込みを可能にしています。本製品の寿命は5,000時間以上になり、消費電力は1.5ワット未満です。60 mm x 63 mm x 48mmのコンパクトなサイズ設計に加え、電源を入れるだけですぐに使えるプラグアンドプレイというコンセプトを採用しているため、分析機器に搭載後すぐに使用することができます。また、本製品には、予め光ファイバカップリングを組み込んでおり、動作モードもパルスモードまたは連続モードの選択ができます。

上記の特長から、本製品は、これまでポータブル分析では不可能とされていた方法、また他の手法で対応していた測定に対し、可能性を広げる光源になります。

当社では、本製品が、大気や水質などの環境モニタリング、土壌モニタリング向けのポータブル分光分析機器に適用でき、現場での試料測定に「使いやすさ」を提供するものと考えております。当社は、採取試料をリアルタイムで測定できる現場分析に最適な光源を提供することで、人にやさしく快適な環境を作り、維持することに貢献してまいります。