三次元(3D)部品のUV硬化

複雑な形状をUV硬化させることは、非常に難しいテーマです。なぜなら、UV硬化技術では、コーティング剤を硬化させる場合、表面のすべての部分がUVエネルギーに晒される必要があるからです。陰になっている部分は、未硬化(ウェットな状態)のまま残ります。

三次元(3D)部品のUV硬化

今日では、UV硬化は自動車のライトの組立、携帯電話の筐体や他の電子機器といったプラスチック成型品、曲線状の木工製品、ゴルフボール、電子モーターの筐体、ガラス繊維複合材料などの複雑な三次元部品で成功を収めて、使用されています。

3D部品をUV硬化できますか?

へレウスノーブルライトは、3DのUV硬化プロジェクトにおいて長年にわたる経験があります。以下に述べる情報は、UV硬化が3D製品や部品に適しているかを決定するのに役立つでしょう。

3D部品へのUV硬化型コーティング

スプレーコーティングやフローコーティングを含む、3D部品にコーティングをおこなうには、低粘度のコーティング剤が必要となります。多くの場合、100%UV硬化系(無溶剤)では、達成するのは非常に難しいです。

少量の有機溶剤の使用により、粘度に対する要求を満たすことが可能になります。理想的ではないのですが、製造過程では、このようなことを克服できない課題とはみなしていないのです。

もちろんスプレー可能な、またはフローコート可能な100%固形分のUV硬化コーティングは、究極のゴールであり、入手できるものもあります。また、UV粉体コーティングは、3D部品に対する固形分100%塗料への手段の1つとなります。

UVと熱のハイブリッドコーティング

デュアルキュアコーティング(UVと熱の組み合わせ)を使用することは、特に、影のあるエリアや既存の熱オーブンを改造するのに適したもう1つの選択肢となります。熱硬化のラインにUVを取り付けることによって、ライン速度を大幅に加速し、コーティング性能を向上させます。 これらのハイブリッドシステムでは、100%熱硬化のコーティングよりも、より低い焼き付け温度、さらにはより短い時間で硬化可能です。さらに、UV照射後はすべての部分がタックフリーとなり、汚染のリスクを軽減できるという長所があります。ハイブリッドシステムでは、引っかき、欠け、こすれ耐性等の改良において、100%UV硬化コーティング改良した特性のすべてを保持しています。

三次元物立体物には多くの形状、大きさ、曲面、立ち面、凹部分があるため、ランプはUVエネルギーをすべての表面に到達させる必要があります。

産業用三次元コーティングにおける多くのアプリケーションでは、「光学的に厚膜の」、つまり、「UVをより多く吸収するという意味の」コーティング剤を硬化させる必要があります。このコーティング剤では、UVがコーティング膜内を透過するにつれて、UVのエネルギー密度は深さ方向で吸収されていくため、急速に減少していきます。確実に硬化させるには、十分なUVエネルギーがコーティングの底部まで到達していなければなりません。膜厚が厚い、顔料を含む、フィラー量が多いコーティングでは、UVが十分に底部まで到達して硬化するのは、非常に難しい課題となります。高照度のUVをコーティング底部まで到達させることによって、底部の硬化を最大限にします。平坦な基材においては、楕円のリフレクターを用いることにより、コーティング剤がUVエネルギーの焦点となる高照度領域を通過するのが確実となり、最適な硬化を得ることができます。三次元の上のコーティング剤を硬化するときには、これは非常に難しくなります。

コンパクトなモジュラーランプシステムでは、部品の曲線に沿って、または特定のエリアに向けて配置することができます。

ロボットに取り付けられたUVランプ

UVランプを装着したロボットは、3D部品の硬化に非常に有利です。固定されたランプで網羅できないような形状、サイズの組み合わせが製造ラインにある場合に、効率よく作動し、コストも抑えられます。

ロボットは、固定されたランプでは近づけない影の部分に容易にアクセスできます。

ロボットを使用するときに考慮すべき課題:

  • UVランプは、ロボットアームが加速や降下するときの振動に耐えられるよう十分に堅牢である必要がある。
  • UVランプは効率良く稼働し、様々な異なる位置においても信頼性があることが必要である 。
  • ロボットの動きがすべてのエリアを網羅できるように、十分なスペースを確保することが必要である。
  • ロボットは、UVエネルギーをすべての部品に確実に到達できるようにプログラミングされなくてはならない。例えば、その部品がロボット制御でスプレーコートされている場合には、ロボット制御のUV硬化システムはコーティングロボットと同じような経路で、同じパターンで動くことが不可欠となる。

三次元部品のUV硬化用カスタムエンジニアソリューションは、以下のような重要な要因よって決定されます:

  • UV硬化に必要な表面、立ち面、角度の情報を含む部品全体のサイズや形、影になる可能性のある部分
  • 部品の向きや、どのように部品が保持されUVランプへと送られるのか、つまり1列に並んでいるのかバッチ式なのか、吊るされているのか、治具に載せるのか、回転させるのか、固定なのか、といった部品の搬送メカニズム
  • 所定のUVエネルギーを得るには、どの程度の時間が必要なのか、といったライン速度や処理能力と場所の制限
  • 必要とされる物理的性質を満たすための照度や波長レンジ、時間や赤外線照射などの仕様を含むコーティング剤の照射に対する要件
  • エンドユーザーの要求仕様を満たす部品を得るために、より均一な照射ができるよう必要なランプの数やランプ出力、ランプ位置などを含むUVエネルギーや照度

  • ポリカーボネート製のヘッドランプレンズ :固定された枠に装着された個々に稼働できるモジュラーランプ
  • 粉体塗装されたモーター: 基材の回転と組み合わせて個々に稼働できるモジュラーランプ
  • 電化製品に使われる小型の複雑な部品 :ロボットで保持され、固定されたランプの下で回転する塗装部品
  • 広幅のプラスチック容器や枠組み :ロボットに搭載されたUVランプ
  • SMC本体パネルにコーティングされた封止剤 :固定されたランプとランプを搭載したロボット