humm3®テクノロジーの導入:
航空宇宙関連の加工研究での
貢献

▷▷ McNAIR航空宇宙センターへのインタビュー ◁◁

現在、欧米の民間の施設ではhumm3テクノロジーの採用が進んでいます。
今回その一例をご紹介するのは、米国・サウスカロライナ州にあるMcNAIR航空宇宙センターです。インタビューに応じてくださったのは、同センターのアソシエイトエンジニアのブランドン・セイ氏と研究員のジェシー・パンドハー氏です。

導入に際してどのような背景があったのか聞いてみました。

最新型humm3®の導入に至るには、どのような背景があったのでしょうか。

米国・サウスカロライナ大学に拠点を置くMcNAIR 航空宇宙センターは、航空宇宙関連の教育、研究、K-12段階におけるSTEM教育支援、労働力開発、産業界との連携に焦点を当てた大学センターです。2021年に、同大学とノーブルライトが技術提携を締結したことで、ノーブルライトの最新の humm3 システムを導入しました。このhumm3システムは、自動繊維積層装置(AFP)、自動テープ積層装置(ATL)、フィラメント・ワインディング装置など、その他の複合材料用途に対応するフレキシブルで制御性に優れる加熱ソリューションで、プラグアンドプレイヘッドモジュールを備えた強力なシステムで構成されています。

大学とノーブルライトの間で技術提携が締結されたことで、私たちのセンターは最初のhumm3(6kW)プロトタイプシステムの1つを受け取り、ドライカーボンファイバーと熱可塑性炭素繊維強化プラスチックの積層材料を用いた試験を行いました。最初のシステムで成功を収めた後、これまで使用してきたhumm3ディスカバリーを大幅にアップグレードし、humm3のより強力で合理的なhumm3エンタ-プライズを導入しました。出力を9kWに増強したことで、多くの熱可塑性炭素繊維複合材料やガラス強化材料の加工に成功しています。

システムを導入してから感じた利点は何でしょうか。

McNAIR航空宇宙センターに導入されたhumm3

humm3エンタープライズのおかげで、高温を必要とする熱可塑性材料での研究が容易に対応できるようになりました。AFPとhumm3システムをオペレーションコンソール(操作盤)から安全に、かつ容易に操作できるようになったことで、研究活動を支援するだけでなく、学部生や大学院生に非常に実践的な方法で教えることもできるようになりました。

humm3は、積層するための材料の温度到達能力とその粘着性能、成形速度の向上、安全性の向上、積層するためのプロセスパラメータを容易に開発できるなど、熱可塑性複合材料の加工研究に対し非常に貢献しています。

humm3を用いて、今後どのようなことに挑戦したいと思いますか。

同センターでは、今後は新しい高温材料である、セラミックマトリックス複合材料、炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)などへの取り組みを開始し、ノーブルライトや材料メーカーと協力し、できるだけ多くの最先端複合材料の製造技術にいち早く挑戦していきたいと考えています。

McNAIR航空宇宙センターとは

サウスカロライナ大学にある  McNAIR航空宇宙センター(英語) は、航空宇宙関連の教育、研究、米国K-12教育STEM支援、人材開発、産業界との連携に焦点を当てた大学センターです。同センターの研究チームには、機械工学、化学工学、土木工学、電気工学の30名以上の教授陣が所属しています。サウスカロライナ州出身の科学者であり探検家でもあるロナルド・E・マクネアに敬意を表して名付けられたMcNAIRセンターは、2011年に投資家であり慈善家のダーラ・ムーア氏、および実業家で慈善家のアニタ・ザッカーからの多額の寄付により設立され、卒業生のマルバ・スモールズからの支援によりさらに充実したものとなっています。現在では、専門家チームが研究、教育、パートナーシップの取り組みを指導しています。

取材にご協力いただいた方

ブランドン・セイ氏
アソシエイトエンジニア。自動繊維積層装置(AFP)のプログラマー兼オペレーター、複合材料の硬化装置コーディネーター、主要コンポジット製造プロセス開発者。

ジェシー・パンドハー氏
研究員。熱可塑性複合材料、誘導溶接、複合材料の構造試験と特性評価、高温熱可塑性加工を専門とする。