プロセス設計比較表:コンバーティングの応用のための従来のUV硬化プロセス対UV LED硬化プロセス

UVLED硬化をお客様のコンバーティングプロセスに検討する際、すでに利用可能なUV硬化技術と比較すると参考になる。以下は、UV硬化技術(高圧水銀アークランプ、マイクロウェーブ、UV-LED)の簡潔かつ簡単な比較と、代表的なワイドウェブのコンバーティングプロセスにおける各特性とプロセス設計上考慮する点をまとめたものである。

技術特性について

高圧水銀
有電極ランプ
マイクロウエーブ UV LED 注記
有用寿命
(時間)
500 ~ 3,000* 6,000 ~ 8,000 10,000+ 全てのUVランプは経時変化を起こすため、適切に硬化できる状態で、期待される運転時間である「有用寿命」を理解することが重要である。
*有電極ランプの寿命は、ランプが狭い動作温度範囲に保たれない場合、またON/OFFサイクルによって、著しく短縮される。有電極ドーピングランプは、高圧水銀有電極ランプの寿命より短い。
冷却要件 外部ファン:
複雑で非常に重要
外部ファン:
複雑、要排気
内蔵ファン:
シンプル
全ての型式に水冷方式が使用される。一般的にUV-LEDシステムは、従来のUVシステムよりも冷却量が約10倍程度少なく、Semrayに採用されているような動的冷却では、寿命が長く最適な状態で作動する。
エネルギーの
使用量
多い 多い 少ない UV-LED硬化システムは、従来のUVシステムより30 ~ 70%少ないエネルギーで十分である。
ランプ出力


600 W/inch

600 W/inch

14 - 22 W/cm2
これは硬化システムのクラスに関する一般的な表示であるが、基材に達するUVエネルギーを示すものではない。有電極およびマイクロウェーブシステムについては実際の入力電力にあたる。
UV-LEDについては、一般的に照射面におけるピーク照度を示す。UV硬化システムのエネルギー密度の定格には標準はなく、ユーザーは試験を行うか、あるいは各メーカーからデータを入手する必要がある。
技術資料: UV硬化における従来のUVランプシステムとUV-LEDランプシステムの比較(英語)
波長出力 広域
短波長及び長波長、
ドーピングランプ
広域
短波長及び長波長、
ドーピングランプ
狭域、ほぼ単色、
365、385、又は395nm
UV発光スペクトルと塗料の吸収スペクトル域が一致している必要がある。これは通常塗料メーカーから入手できる。
UV-LEDの長波長発光はラミネート接着剤とPSAに理想的であるが、ハードコートの表面硬化には困難である。
ランプの長さ 2.794mまで 6.096mまでのワイドウェブをカバー
する254mmの複数ユニット
ワイドウェブに及ぶ特注アレイの長さ
又は複数モジュールセグメント
長尺な有電極ランプは、ランプの湾曲防止のため、少なくとも毎週回転させる必要がある。
モジュール式UV-LED硬化システムSemrayは、UV-LED技術が進展するにつれ、様々な波長に迅速に変更することができ、アップグレードにあまり費用がかかからない(図1参照)。
図1:バックプレーンに接続されているUVセグメント
調光 ~100%、
ステップ又は連続
35 ~ 100%、
連続
40 ~ 100%、
連続
制御はプロセスの柔軟性と一貫性を向上するため、一般的に全体のコーティングラインと連動している。
電源技術はUV LEDシステムSemrayに見られるように、スマートで自己監視の動的制御を含むように、急速に進歩している。
ウォームアップ時間 ~ 5分 15秒 0 UV-LEDの瞬時ON/OFF機能は、アークランプよりはるかに優位性があるため、高いライン稼働率と生産率につながる。
再起動時間 長い、シャッターの使用必須 急速サイクル(0~5秒)、
時としてシャッターを使用
0 生産中の予期せぬライン停止や経時変化は、UV-LEDでは起きない。シャッターが壊れる心配もない。
水銀 使用 使用 不使用 UV-LEDはより安全な作業環境と、より持続可能な生産プロセスを提供する。
オゾン 使用 使用 不使用 短波長UVエネルギーはオゾンを発生させる。
UV-LEDは短波長を放射しないため、オゾンの発生はなく、より安全な作業環境と、より持続可能な生産プロセスが可能になる。
重量 軽い 重い 軽い UV-LEDのユニットは軽量で、架台とUVライトシールドもかなり軽い。
形状因子 嵩高い 嵩高い コンパクト UV-LEDはとてもコンパクトなので、既存ラインへの組み込みは容易で、表面硬化、つまりフィルムのハードコートといったコンバーティングアプリケーション用として、既存の有電極ランプとの併用でも使用されている。UV LEDを用いれば、大型な冷却装置、排気ダクト、外部ファンは不要である。
オプティクスの出力戦略 内部の放物線型リフレクター、
および平行リフレクター
内部の楕円形リフレクター 様々なマイクロオプティクス、
又は放射光集光のための外的手段
UV-LEDは、エネルギーが全て前方向であるため、内部リフレクターを使用しない。UV-LEDの中には、より良い制御と基材への出力を上げるため、外付けミラー、ガラスロッドなど、あるいは内部のマイクロオプティクスを内蔵しているものもある(図2参照)。
図2:ヘレウスのUV LEDマイクロオプティクス

プロセス設計の検討事項について

高圧水銀
有電極ランプ
マイクロウエーブ UV LED 注記
光源距離 2.1インチ(53.34mm)以上 2.1インチ(53.34mm) 5mm~20mm UV硬化システムの表面から基材表面までの距離のこと。基材に達するUVエネルギーは、光源距離が離れるほど著しく低下し、エネルギーを照射窓から大きな射出角で放出するUV-LEDシステムも同様である。
SemrayはUVの放射光を集光するためにマイクロオプティクスを採用している。これにより、基板に届くUVエネルギーの低下を抑えつつ、長い光源距離を得ることができる。これが照射窓の汚れを少なくし、可能時間を増やしつつ一貫プロセスを得ることになる。
ワイドウェブに合わせた
ランプ幅に対する均一性
OK 最良 最良 有電極ランプのエージング現象であるランプ端部の黒ずみが生じると、ランプ両端のエネルギー密度が低下し、均一性が低下する。
Semrayはマイクロオプティクスを採用しており、面内の均一性を改善し、距離が離れていても高いエネルギー密度を維持する。万が一、チップの一つが不点灯になった場合でも、周囲のLEDチップを動的に調整して補正し、均一性を保つ(図3参照)。 図3:UV LEDの均一性
一貫性と
信頼性
良好 より良好 最良 UV-LED硬化は、特に出力と波長の切り替えによって安定しない硬化が生じる原因となる有電極ランプと比べると、特にドープランプを用いたラミネートのようなプロセスに対しては、より安定性の高いUVエネルギーと波長出力、高いプロセスへの信頼性がある。
メンテナンス
コスト
一番高い 中程度 一番低い メンテナンスコストの削減はメンテナンス作業と消耗品という観点だけでなく、UV-LED硬化で可能になるダウンタイムの低減においても重要になる。Semrayの基板に取り付けられた診断とモジュールは、迅速な故障診断を可能にし、保守によるダウンタイムも少なくしている。
原価 一番低い 中程度 一番高い UV-LEDシステムの原価は高いのが通例であるが、ブロア、ダクト、ライトシールドといった設備費は極めて安価である。原価は総所有コスト(下記参照)、生産率と結果として得る売り上げの増加に対し比較されるべきである。
総所有コスト 一番高い 中程度 一番低い UV-LEDの総所有コストは、少ない保守、エネルギー、消耗品のコストと性能のアップグレードに基づき一番低い。UV-LED技術は急速に進展するため、総所有コストはより安価でアップグレードが容易なシステムに依存する。モジュール式でプラグ&プレイのSemrayは、簡単で安価なアップグレードが可能である(図4参照)。
図4:プラグ&プレイのセグメント
熱に敏感な
基材に対するUV硬化
良好 より良好 最良 UV硬化は、熱乾燥/硬化プロセスよりも低熱性であると考えられている。UV-LED硬化は、従来のUV硬化では不可能な熱に敏感な基材の硬化が可能である。その結果、新しい製品のUV硬化が、以前は不可能でも可能になるかもしれない。既存のラインでのコンバーティング能力を広げることになるかもしれない。
塗料の入手
可能性
十分に入手可能、多くの塗料あり 十分に入手可能、多くの塗料あり ラミネート接着剤とPSA、
他の塗料に広がる可能性あり
UV-LEDの塗料のフォーミュレーションは、ラミネート接着剤、PSA、経皮貼布のハイドロゲル、あるいはUVエネルギーが透明フィルムを透過する箇所に利用できる。新しい塗料は、UV-LED硬化がさらなるコンバーティング用途に広がるに従い、開発されている。従来のUVとUV-LEDと組み合わせて使用するハイブリッド式UV硬化は、フレキシブルなプロセスの解決方法で、UV-LEDの利点を生かすオプションとなっている。
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