生産性向上のためのUVフレキソ印刷機の改造ガイド

検討すべきUV LED装置の特長

フレキソ印刷機のUV LED硬化技術への更新を検討するのは非常に困難なことです。このガイドは、プレス機のより高い生産性を実現するUV LED硬化装置の機能を説明しています。

UV LED硬化と印刷機の生産速度

高圧水銀有電極UVランプは、長年にわたってオフセット、フレキソ、スクリーン、デジタルなどの印刷プロセスに用いられてきた主要なUV硬化技術でした。UV LED硬化技術は、従来の有電極ランプによるUV硬化と比較して、非常に長い作動寿命、瞬時オン/オフ能力、メンテナンス時間の短縮という特長があるため、印刷機の生産性を向上させることができ、導入が進んでいます。実際、UV LED硬化を使用するフレキソラベルおよびタグメーカーは、高圧水銀有電極ランプでのUV硬化と比較して、印刷機の速度が著しく向上した、と報告しています。  フレキソ印刷プロセスでのUV LED硬化の利点 に関する詳細もご覧ください。

フレキソ印刷機をUV LED硬化に改造する場合、信頼性と大容量のラベル印刷とコンバーティングプロセスを得るために最も重要な製品の特長を理解することが重要です。最高の印刷能力と生産速度を実現するために、お客様が選択するUV LEDソリューションは、最高速度、高い信頼性と安定した硬化結果を得られるものでなければなりません。また、印刷部数の減少傾向に伴い、印刷ジョブ間の切り替え時間を最短にすることも重要な要素になります。

UV LED硬化システムの特長:

SemrayのUV LEDマイクロオプティクス

フレキソ印刷の印刷速度は、インキまたはニスに照射されるUV波長(365、385または395 nm)と、積算光量(mJ/cm2)に依存しています。ほとんどのUV LEDフレキソインキは385 nmまたは395 nmで硬化しますが、念のためインキメーカーに問い合わせしてください。UV LED硬化システムを比較する際には、波長と基材からの光源距離を同一にしたうえで比較してください。また、UV LED硬化ユニットのW/cm2の定格値に惑わされないでください。これは、基材上ではなく、照射窓での静的なピーク照度のみを示しています。比較しなければならない測定値は、ウェブ表面に到達する積算光量です。

UV LEDは、LEDからの出力エネルギーが全て正面に向いているので、有電極ランプのように内部リフレクターを使用しません。

離れた光源距離

しかし、UVエネルギーは一般的に、UVが広角に広がります。そのため、UV LED装置メーカーは、内部または外部などさまざまな手段で、迷光するUVエネルギーを基材上に集光します。UV LED硬化ユニットのなかには、基材上への出力をより良好に制御および高める手段として、外部ミラー、ガラスロッド、あるいは内部にマイクロオプティクスを組み込んでいます。内部のマイクロオプティクスは、汚れの蓄積や動作中のダメージを心配することなく、より多くのUV出力を得ることができるため望ましいです。たとえば、UV LED硬化システム「Semray®」では、内部にマイクロオプティクスを使用しており、UVエネルギーをインクやコーティングに届け、同等のシステムより30%高速な印刷速度を実現します

異なるUV LEDシステムのUV出力を比較するためには、各メーカーにデータ(同じ波長と光源距離)を聞く、または自分で測定してください。(  UV LED硬化システムの出力を測定する方法はこちらをご覧ください。 .)

冷却を十分に管理できる空冷UV LED硬化システム冷却

信頼性の高いUV硬化プロセスは、不良品を低減し、稼働時間を増加させることで、プレス機のより高い生産率を実現します。基本的に可動部品がないので、UV LED硬化システムの信頼性は主に、適切な温度管理に依存します。冷却の必要性は、有電極UVランプよりも著しく少なくなりますが、適切な冷却がなければUV LEDの寿命は短くなります。空冷式UV LEDシステムは、水冷式システムに比べて複雑ではなく、フレキソ印刷機への取付が容易です。したがって、冷却を十分に管理できる空冷UV LED硬化システムを探してください。たとえば、UV LED硬化システム「Semray」は、自己調整ファン制御を使用して、冷却を動的に最適化し、寿命と信頼性を確保します。

プレス機の短い稼働時間と、お客様の早い転換に対する要望といった傾向に伴い、迅速な切り替え時間はフレキソラベル印刷機の生産性にとって非常に重要な点になります。したがって、UV LED硬化システムは、異なる波長に迅速に変更でき、印刷ジョブでそれぞれ異なる硬化幅や調光設定値をフレキシブルに調整できる制御が必要になります。また、異なるプレスステーション間でUV LED硬化システムを移動する計画がある場合は、素早く脱着できるモジュールタイプを探してください。たとえば、モジュール式プラグアンドプレイUV硬化システム「Semray」は、工具を使うことなく異なる波長に迅速、かつ容易に切り替えることができます。また、UV出力の調光レベル(1%きざみで100%から40%まで可)と硬化幅(プレス幅方向に25mmきざみ)を調整するために、フレキシブルな制御が可能です。

最も重要なUV LED硬化の特長に集中する

UV LED硬化システムは、既存の有電極UV硬化に比べ、印刷速度をより速く、UV硬化への信頼性をより高く、そして印刷稼働の間での切替作業時間をより短くすることで、印刷の生産性を向上します。お客様が選択されるUV LED硬化システムには、内部に光学系制御があること、冷却が動的に最適化されること、照射幅と調光を柔軟に制御できること、容易に切替ができるようにモジュール式で素早く脱着できる設計になっていることを確認してください。


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