ダウンタイムを短縮

UV LED硬化がダウンタイムを短縮する3つの方法

現在利用可能なUV LED硬化技術は、ラミネート接着(紙とフィルム、フィルムとフィルム、フィルムと箔)、ハイドロゲル、長波長、ディープキュアが重要になるその他の硬化プロセスに多くの利点をもたらしている。プロセスの開発・設計エンジニアにとって最も関心深い利点は、従来の高圧水銀有電極UVランプ硬化プロセスと比較すると、ダウンタイムの低減の可能性である。

この点を掘り下げることは、お客様のコンバーティングプロセスに対する影響を十分理解するのに役立つであろう。

プロセスはそれぞれ異なる

Minimum downtime

UV LED硬化がどのようにダウンタイムを低減するかについて触れる前に、各コンバーティングのUV硬化プロセスは他のプロセスと同様に、基材、特定の塗料、ウェブ速度と幅など、多くの要因に基づいた特有の要件とパラメータがあることを認識することが重要である。

従って、お客様がUV LEDプロセス開発に着手する際には、開発に至るまで装置と塗料の両面でお客様の相談に乗り、支援できるパートナーを探すことが重要である。お客様は、  アプリケーションセンター での試験、パイロットラインや工場試験の経験のあるパートナーが必要であろう。

素晴らしいことに、UV LED硬化試験は、アプリケーションセンターで正確に実施された場合、パイロットラインや生産プロセスへと容易に拡張できる。

ここから、UV LED硬化でのダウンタイムを低減する方法について触れる。

ダウンタイム短縮に寄与する要因とは

従来の有電極UVランプ硬化システムと比較すると、UV LED硬化システムは、ダウンタイムを大幅に低減することが可能である。ではどのように各要因がダウンタイムの低減に寄与するかについて説明する。

UVの生産寿命

有電極ランプの有効(効果的に硬化することができる)作動寿命は、最適な条件下では平均1,000時間から最長4,000時間と短いことはよく知られている。一般に殆どのラミネート接着剤硬化で使われる添加(“金属ドープされた”)ランプの作動寿命は、それよりもより短い。そして適切なランプ冷却(鉄ドープランプは、時としてDバルブと呼ばれるが、特に熱に敏感)がない、あるいはお客様のプロセスが頻繁に停止、開始を繰り返すような場合は、お客様はかなり短い有効作動寿命に直面し、それに合わせてプロセスを設計することになる。

これに対して、UV LEDランプは優に10,000時間の有効寿命があり、工場での使用条件や硬化プロセスパラメータによっては20,000時間に達することがある。つまり、概して有電極ランプを交換するために点灯時間1,000時間毎に、そして恐らくドープランプについては更に頻繁に、生産ラインを停止せざるを得ない。UV LEDランプは、10から20倍低い頻度の交換でよい!
これがランプ交換によるダウンタイムを著しく低減することになる。

有電極ランプの交換には30分あるいはそれ以上を要するが、UV LEDシステムのなかには、LEDアレイの故障があった時は、数秒程度と極めて迅速に交換できるプラグ・アンド・プレイの特性を有するものがある。

有電極UV硬化ランプは、最大出力に達するのに約15分の起動時間を必要とする。その上ライン停止時には、一旦冷却させる必要があるのでランプの再起動に時間がかかる。その結果、殆どの有電極ランプシステムは、このようなライン停止中のランプの再起動を避けるために、シャッターを使用している。

このシャッターはシステムの追加費用になるだけでなく、これらを維持するため他のパーツが必要になる、または予期せぬ故障につながる(つまりダウンタイムが増える)。

UV LED硬化システムはシャッターを必要とせず、ランプ寿命を低減することなく、瞬時オン/オフが可能である。生産ラインでは、ラインの停止時に基材を損傷させないようにランプを即座に止めるため、さらにはラインの起動/再起動時に瞬時に起動/再起動できるように、通常UV LED硬化システムの制御を組み込んでいる。
UV LED硬化は、例えばシフト勤務の開始時あるいは引き継ぎ時、そして他の生産プロセス要件による生産ラインの停止/再起動など、ウォームアップに関連したダウンタイムを低減できる。

メンテナンス時の部品交換

有電極UV硬化システムには、バルブ、シャッター、リフレクター、安定器、冷却、排気ファンを含め、頻繁なメンテナンスを要する多くの部品がある。ランプ、リフレクター、シャッターは、作動時間500時間毎に清掃することが推奨されている。殆どのワイドウェブのコンバーティングラインは長い有電極ランプを使用するので、ランプの曲がりあるいは湾曲を回避するため、週に一度はランプを回転させる必要がある。このランプの湾曲は、しっかりと対応しなければ作動時間を縮め、硬化プロセスの信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある。ランプ交換と同時にリフレクターも交換することが推奨されている。

冷却と排気のファンのメンテナンスとフィルターの交換も必要である。

こうしたすべてのメンテナンス時間がダウンタイムの原因になる。お客様のコンバーティング生産プロセスにおいてUV硬化に有電極ランプを用いている場合、新しいプロセス開発の検討のため、UV LEDシステムと比較するための実際のメンテナンスデータを収集することができる。

シャッター、リフレクター、または安定器がなく、そして基本的に冷却ファンはメンテナンス不要なので、UV LEDシステムのメンテナンスは極めて少ない。

基材のすぐ上にくるUV LEDの底面にある石英製の照射窓は、汚染のひどい環境では毎週、きれいな環境では4週間毎の清掃を必要とする。通常これはユニットを取り外すことなく実施できる。冷却エアーフィルターは清掃し、再使用あるいは必要に応じて交換する。しかしほとんどの場合、生産ラインからユニットを取り外す必要が無く、冷却エアー量が極めて少ないためフィルターは有電極ランプシステムよりも清掃頻度が低い。そのためメンテナンスは迅速に行える。

UV LEDはダウンタイムを低減

Downtime reduction

上述の要因に基づくと、有電極ランプからUV LED硬化システムに置き換えた殆どのコンバーティング生産ラインは、10%から50%、あるいはそれ以上のダウンタイムを低減することになる。 UV LEDシステムメーカーは、提唱するメンテナンスの実行、装置設計、特定のプロセスに基づいたお客様のコンバーティングラインにおける低減の可能性を評価支援することが出来る。お客様が低減されるダウンタイム見込みを入手したら、お客様はどの程度生産速度がアップするのか、あるいはUV LED硬化での生産量の増加を簡単に計算することが出来る。

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